第772回 「自分の軸」
“本日2016年12月13日は、60日に1度やって来る「巳巳の日」で、
金運や財運に縁起の良い日”と、書かれたペーパーを目にしました。
巳巳の日???初めて触れる単語、何・・・・とNETで検索してみました。
ざっと流し読みしたところは、次のような説明でした。
十干十二支は、60種類あり、これが1日ずつ順番に、
繰り返し訪れるサイクルとなっているため己巳の日は、60日に一度、訪れるようです。
巳巳の日の読み方は、“つちのとみ”だそうです。
“つちのとみ”は、古代中国に端を発する 自然哲学の思想である五行に基づいているそうです。
万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説が、五行思想です。
五行では、「土」は「土生金」といい、金を生む力のあるということです。
つまり巳巳の日は、「土」の気と、「巳(つまり、干支のヘビは金運といわれている)」に縁のある日、ということらしくダブル「金」で富に深く縁がある日らしいです。
「だから何なのだ!」と、言ってしまうようなこの手の話が、そこら辺に転がっています。
雑誌、新聞、またNETでは選ぶに迷う程たくさんの星座占いや誕生日占いなどが溢れています。
昔だったらそれなりの勉強をしなければ入手できないような情報が、身近にころがっているのです。
そして、そういう情報を手軽に言葉にし、話題にすると、
ちょっと物知り顔が出来、得意がる事ができるのかもしれません。
場合によっては真面目に判断の基準にする人も居るかもしれません。
流石にそんな馬鹿な人は居ないでしょうか?
このような情報の氾濫を商機と捉えたのが、キレーションビジネスなのでしょう。
尤も、キレーションビジネスもあまりにも安直に考えすぎて、こけてしまっていますね。
安直な話は別にしても、一見まともそうな情報がテレビやNETなどのいろんな媒体からただ同然で手に入るため、そういう情報を知ったかぶりで軽く口にする人たちが身の回りに増えている気がします。
ですから、たまにいかにも深い考えで言葉を使う、基準がブレない考え、
そういう感じの人に遭遇すると大変感動を覚えます。
そういうブレない人たちの中には、周囲から浮いてしまって社会的適応性に問題があるかもしれない、と周囲が仄めかす人も含まれますが、私にはそういう負の部分よりも自身の軸を持ち、決してブレないことのほうが大きな魅力です。
一方、発展途上にある若い人たちが、しっかり自分の軸たる思想を持ち、
その軸に沿って言動している、というと少し危うい場合もあります。
発展途上段階では、自分の軸となる思想を探り、軸の基礎を固める工程途上にあるのが、一般的です。
しかし、個人差がありますから若くても精神の成長を遂げている人も中に入ると、思います。
未だ発展途上を自覚する人は、しっかりそのことを意識して、自分の核となる思想を作り上げていくことを意識して、過ごすことがとても大切だろうと、思います。
そうすれば、精神的に安定した状態で日常を過ごすことが出来ます。
自分への尊厳を持つ、ということの意味を私はそのように捉えています。
メンタルヘルスにおいて自分への尊厳とメンタルヘルスの関係が時々取り上げられているのを目にしますが、自分への尊厳の解説は見かけません。
私は、“自分への尊厳とは自分の思想の軸を持ち、その軸をしっかり掲げて毅然としていること、
そうすれば、精神は安定する”と、言う関係を指す意味なのだろうと、理解しています。
自分の軸がない場合や緩いと、他者との比較や他者の言動に影響を受け、直ぐに揺れます。
些細なことで揺れますので不安定になります。そして揺れが少しでも続くと、自分を傷つけます。
今、やや不安や不安定な状態を自覚する人は、自分の頭で考え自分なりの軸を作ることに挑戦してみて下さい。段々落ち着いてくると、思います。
そして、理想の軸はしっかり根を張っているけれど柔らかく、周囲の揺れを吸収して倒壊しないスカイツリー型、あるいは五重塔型軸であることが望ましいです。