第896回 「仲良くが、質を高める」
先週末の休日、外出先から自宅へ向かっていると、私の住むマンションの前に、
小学校低学年の男子児童と母親らしき二人が、笑い合いながらスマホに見入っている様子を
見かけました。
近づくと、同じマンションに住む親子でした。ふざけ合うように笑い合っている
微笑ましい様子です。
思い起こせば、今年の4月その母親は、入学したばかりの子供が一人で通学する後ろ姿を
心配そうにマンションの玄関で、見送っていました。今にも息子の後を追いかけそうな様子でした。
一方、子供もいかにも心細げに母親の方を振り返り、振り返りノロノロと、
学校に向かっていました。
私の出勤時間と同じ時間帯だったため、その頼りなさ気な親子と毎日のように遭遇していました。
ところが、2ヶ月余り経った今では、その時の幼い息子は、少しだけ体格も大きくなり、
何よりも顔つきが見間違うほどしっかりしています。
そして、生意気にも母親と対等な様子で、ふざけ合っているのです。
2ヶ月余り前の、頼りなさ気な親子の顔を思い浮かべ、そのギャップにちょっとした
驚きを感じました。
小学校へ入学して、母親と離れて一人で通わねばならない初めて訪れた環境変化に、
親子でオロオロしていたあの時の姿から、今の様子への変化に驚いたというより、
感動を込めて納得しました。
あの親子チームは、小学校へ入学した息子と、その息子を支える母親のチーム作りに
無事成功したのだ、と言う納得です。
何かを始める場合、初めて体験することにはどうアプローチして良いのか解らず、
解らないが故に、やみくもに不安になってしまう場合が多いものです。
リーダー職になったばかりの人たちは、どうやって役割を遂行したら良いのか、方法がわからない、と良く不安をこぼします。
リーダー職とはかくあるべしとか、リーダー職を上手く遂行する方法、などの切り口から考えると、とても難しいものです。
でも、リーダー職の活動結果、どういう成果が求められているのか、と考えると少し具体的な言動が思いつきそうです。
リーダーの成果として求められることは、大きくは2点だと思います。
一つは、チームが目的とする成果物の質と量が水準か、それ以上になる(少なくとも現状か、
それ以上になる)ことを、実現する。
二つ目は、その時実現できた高い成果を、持続的に実現し続ける仕組みを構築し、維持運営する。
以上2点です。
チームが目的とする成果物は、仕事の場であれば仕事の成果物です。
仕事の成果物を、生産性高く、高い品質を供出するためには、何に注力すればよいのか、
と考えると具体的方法は、思いつきます。
仕事の技術力が向上するようメンバーの教育に励み、業務推進管理を徹底するのが、正攻法です。
つまり、仕事の配分は妥当か。
負荷の偏りやスキルに見合わない難しすぎる(又は、反対に易しすぎる)
仕事の配分がなされている場合は、速やかに再調整する。
計画スケジュールに則って業務推進されているか。スケジュールとのかい離がある場合は、
かい離原因を調べ分析する。
又、不測の事態は発生していないか、情報収集し分析し、対応策を考える。
そして、何より優先すべきは、チーム作りです。持続的に高い成果を実現し続ける仕組みを構築し、維持運営するためには、先ずはチーム作りです。
チーム全体の仕事の成果を高めるには、チームメンバーたちの達成意識レベルが同程度に高く、
強い結束力で結ばれている(お互いへの信頼感で支え合っている)、
こういうチームの精神性が効果的です。
その為、チームメンバー全員が、同じ価値感で結ばれ(支え)合っていることが、
一番近道なのです。
そこで、リーダーが成すべき一番の行動は、チームメンバーみんなが、
仲良く信頼し合う環境作り、なのです。
人が構成する集団では、仲が良く摩擦がないことが、生活の全ての質を高めてくれるように思います。