第851回 「上向きのエネルギー」
昨日まで、3連休でした。連休中は、今年一番の暑さだったと、ニュースで報じていました。
確かに暑いです。暑かったのではなく、本日も進行中の暑さです。こんなに暑い日本の夏は、未だかって経験していないのではないかと、思える暑さです。
この酷暑の中、豪雨被災地においてボランティア作業に従事する人たちの様子が、テレビに映し出されていました。汗だくになりながら、ボランティア活動に励む方々の姿がTVに映し出されると、見ている私達は一瞬暑さを忘れて、なにやら清涼な気分になりますね。
ボランティアの皆さん、くれぐれも御身体をお労い下さい。
被災地は非常に暑く、復旧作業は過酷な作業のため、ボランティアさんたちの熱中症対策・健康管理のため、復旧作業の休憩ルールを決めたそうです。
その休憩ルールを決めたことに関して問われるTVのインタビューに、応えるボランティアさんが印象的でした。
「僕らが迷惑を掛けると、拙いので・・・」。
TVを見ていた私は、瞬間胸が熱くなりました。平穏な日常を送っている時は、
「今の若い者は・・・」と、目くじらを立てる人たち。
「今時そんなこと言っても・・・」と、反論ばかりの若者。
日頃は天敵かと思える同士が、お互いを思い遣っている様子へ感動したのです。
このところ各地が、災害に見舞われています。その都度、ボランティアさんが大勢駆けつけ、被災者さん達の支援をする様子がTVのニュースで報じられます。
この頃私は、そういう映像を見る度に、これらの被災は、神様が設けた仕掛なのかと、思います。
特別な宗教を信じているのではない私には、神様とは具体的にどの神様だ、などは言えません。
しかし、やはり神様かあるいは神様のような大きな何者かが、私達人間にチャンスを与えることを目的とした災害のように思えてなりません。
人間が惰性に陥り、目に余り始めると、神様はほっとくと人類は自滅するようだ、と判断されるのかもしれません。凡庸な私達は、何事もない平穏な日常からはあまり学ばず、怠惰な惰性に流されてしまい勝ちです。
その結果は、止め処もなく下向きに流されて行きそうになりますが、
そういう時に神様は、上向きのエネルギーを得るチャンスを与えて下さるのではないかと、思います。
災害という物語は、なにくそ災害になんかに負けるものか、と言う力強いエネルギーを起こさせます。
みんなで痛み分けし合おうよ、と人間関係の結び付け直しが行われます。
かくして愚かな私達人間社会は、被災によってリセットされるのです。
神様が与える災害の効用は、ざっとこんな感じなのではないですかね~。
人の人生も同様だと思います。
私達はともすれば、平穏であること、恙無く日々を送ることを好み勝ちですが、それだけでは大きく上向く、飛躍することはなかなか難しいです。
むしろ、現状をキープするエネルギー不足に陥り、下方に押しやられる場合も生じてきます。
苦労を多く抱えた人を指して、大変そうだ、自分はああいう苦労はしたくない、と思うのは誰しもです。一方、苦労を積んだ人は必ず大きく開花します。
苦労に勝とうとする上向きのエネルギーが、大きな勢いで生じて、苦労から脱出せんと思う必死の思いが、大きな知恵を育むからです。
勿論、卒なく平穏な人の人生も素敵です。しかし、自身が一歩飛躍したいと希望する人は、自らを上向きのエネルギーを起こさせる環境に、投じる選択もあります。
この選択は恐らく一時は苦しいと、思います。しかし正しく上向きのエネルギーを起こさせる環境であるなら、飛躍に通じる近道の可能性が高いはずです。
どちらの人生が正しいと言う訳でも無く、どちらを選ぶのかは、人それぞれです。
被災地のニュースを見ていて、そんなこんなを、つらつら思い廻らしました。