第942回 「ストレスチェック診断」
今日は、七夕です。短冊に思いを込めてお願いしたいことが、今のところたくさんあります。
早くコロナ騒ぎが終息して、全く同じでなくても良いから以前の生活を取り戻したい、と2,3日前までは切に思っていました。
しかし、今日、まさに九州で起きている酷い天災被害の報道に接すると、何よりもみんなの安全、安心を祈らずにはいられません。そして、残念なことに今夜は天の川を見ることも無理なようです。だとすると、お祈りも届きにくいのでしょうか。たまの雨は気分を落ち着かせてくれるのですが、これほど雨模様の日が続くと、気分がクサクサしてきます。こういう時に上手くいかないことがあると、やる気まで消失してしまいかねません。やる気は、気分の充足によって湧きますが、気分の充足は、心身の充足に依りますから、こういう時は、おいしいものを食べ、しっかり心身を休ませると、やる気が出てくるかも、です。
こういう時期なので数日前、スタッフのストレスチェックを実施しました。概ねみんな良好で、コロナの影響で業績が振るわない割には、あまり大きなストレスを抱えている人はいませんでした。しかし、機械的に診断するチェック結果には、「このような状態が続きますと大変心配ですので、・・・・・」と、慌てさせる診断結果もありました。
この人大丈夫か、と慌てて当人に尋ねると、当人はけろりとして「特に、何事も思い当たりません。職場の人的環境も、家庭生活も順調です。むしろ、最近は上手くいっていると、思っていたのですが・・」と、話しています。何かの項目への回答ミスか、あるいは手違いがこういう診断結果になったようです。そういえば、何回か前の診断でも、全く健康な人に「鬱傾向」と、診断結果が出たことがありました。
コンピュータ診断、AI診断、診断に限らずAIを利用して何らかの判断を行う業務が流行っていますが、今回のストレスチェックの結果のように、極端な結果を呈するような使いづらさに時々遭遇します。これは、恐らく人工知能への学習データの不足や、学習シナリオの不足などの人工知能が保有する情報量と、質が貧弱であることが、原因だと思われます。まるで人間の幼い子が下しでもしたような幼稚な診断結果です。人工知能は、人間の知能を真似て作られているものですから、我々人間も全く同様の状態を呈します。つまり、人間の脳も情報量やその質が偏っていると、最適な判断や行動ができません。
新人や未経験業務では、従事する業務に関しての保有する知識や情報が少ない為、目についたキーワードだけに目を奪われ勝ちになります。その結果、雑な判断や、明らかに質の低い行動を取ることになります。とりわけ今回のストレスチェック診断結果のように、情報の質の低さ、AI診断の場合は学習時に与えた学習データの乏しさが、問題を大きくします。
新人や未経験者が、新たなことに携わる場合、自身の持つ乏しい情報で業務遂行をイメージします。そうすると、そのイメージは、貧弱で偏ったものになりがちです。経験豊富な人は、深い洞察の源となる質の高い現実的情報を、十分に保有しています。
ですから、何事によらず知恵が多く、洞察が深いのです。このような現実に対処する知恵は、体験でしか身に付きません。頭で考えても、そもそも頭で考える際の情報量が少ないので、発想の質は低く、読書や人の話だけでは十分に自身の身に付くものではありません。凡人の私たちがAIに負けないためには、そして他の競争仲間に負けないためには、なるべく多くの実体験を重ねるしか手段はないようです。