第952回 「フェイク情報」
今朝、出勤の支度をしていると、新型コロナウイルスに感染して、入院していた米国のトランプ大統領が退院したらしいニュース報道が流れていました。
当人は、とても元気なふり(?)をしているらしく、自分にとって不利な情報はみんなフェイクだと言うメッセージを流しながらの退院のようでした。
トランプ大統領の症状の程度(重症なのか軽症なのかなど)について、治療した医療機関の発表は、曖昧なままです。
その上、現在どの程度回復しているのか、なども不明のままの退院情報です。
こんなに情報が不明瞭だと、そもそも本当に入院していたのだろうか、感染したというのは真実なのだろうか、と私などは疑ってしまいます。
何と言っても大国米国の大統領が、今世界中のパンデミックの元凶である新型コロナに罹ったというニュースは、一時的に世界に大混乱を、もたらしました。
瞬時に株価(米国の、そしてそれに引きずられて日本の)が大きく下ったほどです。
さらに米国大統領選挙を来月に控えての感染騒ぎですから、世界中が固唾をのんで見守っています。
それほど、このニュースへの世界の関心は高く、影響が大きいものですが、それを逆手に軽々と情報を小手先の手段にしています。
あまりにもメディアを戦略的に活用し、自分に有利な情報を選別し、あるいは創りだし撒き散らしています。
前回の大統領選挙の際にも何やらフェイク情報疑惑があり、未だそれらの真偽は定かではありません。
このようにその真偽が不明のまま、永久に明らかにならないほど、昨今の情報事情は複雑かつ巧妙であり、おまけに手段が多く手軽に発することができます。
戦略手段としての使い勝手は、とても良いものです。
昔から戦いにおける情報戦と言うのはありました。
今回の新型コロナウイルスが猛威を振るい始めたころも、その発生原因をめぐっていろんな情報が飛び交いました。ただのデマもあれば、故意に国の政府関係者が流したものまで様々でした。
昔の情報戦と異なるのは、誰にでも操作情報をほとんど無料で、手間もかからずに届けることが可能であり、手繰る側の操作コストは、非常に安価です。
コストパフォーマンスが、非常に良いのです。
その挙句、社会では真偽の判別ができない情報からの損害や被害が一般化しました。
例えば、最近日本国内で発覚している電子口座に関する現金やポイント搾取事件などは、フェイク情報に誘導され生じています。
私にも毎日大量のメールが届きますが、その中には大量のジャンクメールが含まれています。
それらジャンクメールは、邪魔で役立たずのジャンクと言うだけでなく有害な情報が多くあるのです。
非常に巧妙に装ったフェイク情報です。
うっかり、添付ファイルを開けるとコンピュータウイルスに感染してしまうや、怪しいサイトへ誘導されてしまうかもしれないほど巧妙に成りすましています。
一旦、こういうフェイク情報に騙されると、ニュースのような事件の被害者に瞬く間に陥ってしまいます。インターネットテクノロジーの発達に伴い、私たちは情報の溢れる社会で、ほとんど無料で得ることのできる情報の恩恵に慣れてしまいました。
しかし、今や情報は大変な勢いで増殖し、量は増大する一方、フェイクレベルは高まる一方の為、真偽の見分けは難しくなる一方です。
恐らく今後、情報の質を見分ける技術の開発が急ピッチで進むと思いますが、私達も一人一人がより感度を高める必要があります。
今後、パンデミックが落ち着き、世界は復興に向けて動き始めるでしょう。
その時、今回のパンデミックの残す影響から、人々はより安定した社会を希求すると思います。
そこへの道筋の過程は非常に混乱が多く、それ故正しい情報の選別が何よりも大きな役割を持つことになると思います。