第958回 「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」
先日入社2、3年の若手スタッフたちがセミナー受講をしました。
セミナーのテーマは、「若手社員研修~リーダーとしての基礎」でした。
実際のリーダー遂行前に、リーダー教育を受講することは、彼らのリーダー予備軍としての意識の強化や実務的なリーダー力の育成になるだろうと、私は彼らのセミナー受講を喜んでいました。
ところが、受講後に彼らから寄せられた感想では1年前、新人だった今の2年生が受講した「若手社員育成研修」に含まれたコンテンツと同一の内容だったと、言うことです。
同一内容と言うのは、講師が同一人物、さらに講師がそのセミナーの主題として主張する「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」についての講義だ、という点だそうです。
確かに丁度1年前、受講後「アンコンシャスバイアス」についての彼らの感想が、非常に興味深く、コラムに書きました。
その同一内容のセミナーを再び受講したスタッフ3人の感想がまた、面白いのです。
Aさんは、同じ内容でも自分の立場が変わることで捉え方が違ってくる。
新人時代の自分は、アンコンシャスバイアスに囚われているのではないかと、自分自身についての語り掛けが多かったように感じる。
そして、今回リーダーを意識してアンコンシャスバイアスについて考えると、配下のスタッフたちの正当な評価という点などが気になる。
こういう風に変わり続ける自分の立場にとって、アンコンシャスバイアスというテーマは、生涯の課題となるのではないかと感じた、ということです。
深く思索するAさんらしい感想です。
Bさんは、新人時代と似通った感想でしたが、自分が傷つきたくなくて、アンコンシャスバイアスという手段が脳内で発生する。
それは、問題であるとは考えにくい。
なぜなら、相手がどうとらえるかによって変わるからである。怖がる必要はない。
話してやっとその言動は悪いのかどうかわかると思っている。
ここまでは、新人時代と全く同様の感想でしたので、いかにも考えを安易に変えないBさんらしい、と思いました。
しかし、その後、そこで気づくことが大事だと私は思う。
無意識に人を偏った見方をしていないかを、ほんの少しだけでも気づけるようにしたい、(小さな拍手)と続けていました。
そして、Cさんは、前回と同一内容の為、内容には興味を惹かれなかったが、今回はオンラインセミナーだったため、オンラインセミナーのやり方、ツール(ツールの具体名などが述べられています)、などについて多くの気づきがあったと、述べています。
これも、テクニカル思考の特徴を持つCさんならではの感想です。
この3人3様の感想が面白く、既にアンコンシャスバイアスに囚われている私の脳は、いかにも彼らそれぞれらしい考え方、興味の示し方だ、と心から納得しました。